7.1.問題28
問題 7.1.P28
これは (4.5.P21) の続きである。
\( A \in M_n \) を半正定値とし、次のように分割する:
A = \begin{bmatrix} B & C \\ C^* & D \end{bmatrix}
もし \(B\) が特異なら、通常のシュア補行列は作れないが、列包含性により一般化シュア補行列を作ることができる。
(a) \( C = BX \) とすると、次が成り立つ:
\begin{bmatrix} I & 0 \\ -X^* & I \end{bmatrix} \begin{bmatrix} B & C \\ C^* & D \end{bmatrix} \begin{bmatrix} I & -X \\ 0 & I \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} B & 0 \\ 0 & D - X^* B X \end{bmatrix}
(b) 列包含性により存在が保証される \(X\) は一意である必要はない。しかし、もし \(C = BY\) ならば、\(X^*BX = Y^*BY\) となるので、
\tilde{S} = D - X^* B X
は \(X\) の選択に依存せず定義できる。
(c) \(B\) が正則なら \(\tilde{S} = S = D - C^* B^{-1} C\) となり、通常のシュア補行列に一致する。従って \(\tilde{S}\) を \(B\) の一般化シュア補行列と呼ぶことは妥当である。
(d) \(\tilde{S} = D - X^* B X\) が半正定値であり、かつ \(\mathrm{rank}\,A = \mathrm{rank}\,B + \mathrm{rank}\,\tilde{S}\) である理由を説明せよ。
(e) なぜ (d) の二つの主張を Haynsworth の定理の式 (4.5.28) の類似として考えることができるかを説明せよ。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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