6.4.問題8
問題 6.4.P8
ブラウアー集合 (6.4.8) は (6.2.8) に示されたような境界固有値性を一般には持たないが、その部分集合の中には同様の性質をもつものが存在する。すなわち、\( A = [a_{ij}] \in M_n \) が非可約であり、\( \lambda \) が次の集合の境界点であるとする。
\bigcup_{\gamma \in C(A)} \bigcup_{P_i, P_j \in \gamma,\, P_i \ne P_j} \{ z \in \mathbb{C} : |z - a_{ii}|\,|z - a_{jj}| \le R_i R_j \}
このとき、すべての \( \gamma \in C(A) \) および互いに異なるノード \( P_i, P_j \in \gamma \) に対して、
|z - a_{ii}|\,|z - a_{jj}| = R_i R_j
が成り立つことが知られている。
(a) この定理が、式 (6.4.11a) の行列において \( \lambda = 0 \) が固有値である可能性を排除しない理由を説明せよ。
(b) 次の \( A \) の非特異性の判定条件を導け。
|a_{ii}|\,|a_{jj}| \ge R_i R_j
ただし、すべての経路 \( \gamma \in C(A) \) における異なるノード対 \( P_i, P_j \in \gamma \) について成り立ち、さらに少なくとも1つの経路 \( \gamma_0 \in C(A) \) に対しては、すべての異なるノード対 \( P_i, P_j \in \gamma_0 \) について
|a_{ii}|\,|a_{jj}| \gt R_i R_j
が成り立つ場合、行列 \( A \) は非特異である。
行列解析の総本山

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