[行列解析5.7.13]定理:行列ノルムとベクトルノルムの両立性

5.7.13

定理 5.7.13. \(\| \cdot \|\) が \(M_n\) 上の行列ノルムであるならば、それと両立する \(\mathbb{C}^n\) 上のノルムが存在する。また、\(\mathbb{C}^n\) 上のノルム \(\| \cdot \|\) が与えられたとき、それと両立する \(M_n\) 上の行列ノルムが存在する。

証明.

(5.6.27)
\lVert x \rVert_{z} = \lVert xz^{*} \rVert \quad \text{for any} \; x \in \mathbb{C}^n

任意のゼロでないベクトル \(z\) に対して、(5.6.27) で定義されたノルム \(\|\cdot\|_z\) は与えられた行列ノルム \(\|\cdot\|\) と両立している:

\|Ax\|_z = \| \,|Axz^{*}| \,\| \leq \|A\| \, \|xz^{*}\| = \|A\| \, \|x\|_z

また、任意に与えられた \(\mathbb{C}^n\) 上のノルムは、それが誘導する \(M_n\) 上の行列ノルム(5.6.2(b))と両立している。


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