[行列解析4.4.18]系

4.4.18

系 4.4.18.

複素正方行列は、それが実直交行列の非負スカラー倍の直和にユニタリ合同であるとき、かつそのときに限り、共役正規である。

証明.

前の定理によれば、共役正規行列は、1×1 および 2×2 の実直交行列の非負スカラー倍の直和にユニタリ合同である。逆に、もし \( A = UZU^T \) であり、ここで \( U \) はユニタリ行列、

Z = \sigma_1 Q_1 \oplus \cdots \oplus \sigma_m Q_m,

各 \(\sigma_j \geq 0\)、各 \( Q_j \in M_{n_j} \) が実直交行列であるとすると、次が成り立つ。

AA^* = UZZ^TU^* 
= U(\sigma_1^2 Q_1 Q_1^T \oplus \cdots \oplus \sigma_m^2 Q_m Q_m^T)U^* 
= U(\sigma_1^2 I_{n_1} \oplus \cdots \oplus \sigma_m^2 I_{n_m})U^*

また、

A^*A = U(Z^T Z)U^* 
= U(\sigma_1^2 Q_1^T Q_1 \oplus \cdots \oplus \sigma_m^2 Q_m^T Q_m)U^* 
= U(\sigma_1^2 I_{n_1} \oplus \cdots \oplus \sigma_m^2 I_{n_m})U^*

したがって \( AA^* =\overline{ A^*A} \) が成り立ち、\( A \) は共役正規である。

共役正規行列に対する標準形から、歪対称行列やユニタリ行列のユニタリ合同による標準形も帰結される。


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