4.1.11定義
定義 4.1.11.
対称行列 \(A \in M_n(\mathbb{R})\) は、すべての非零ベクトル \(x \in \mathbb{R}^n\) に対して \(x^T A x \ge 0\) であれば正定値(positive definite)、すべての非零ベクトルに対して \(x^T A x \gt 0\) であれば半正定値(positive semidefinite)、そして、ベクトル \(y, z \in \mathbb{R}^n\) が存在して \(y^T A y \lt 0 \lt z^T A z\) となる場合は不定(indefinite)と呼ばれる。
演習.
なぜ半正定値行列が非特異(nonsingular)である場合に限り正定値となるのか説明せよ。
エルミート行列に関する最後の一般的な観察は、行列 \(A \in M_n\) がエルミートであることと、行列を \(A = B - C\) の形に書けることは同値であり、ここで \(B, C \in M_n\) は半正定値であるということである。この主張の半分は明らかであり、残りの半分は次の定義に依存する。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

 
  
  
  
  
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