[行列解析3.5.P5]

3.5.問題5

演習 3.5.P5(ランチョス三重対角化アルゴリズム).

\( A \in M_n \) と \( x \in \mathbb{C}^n \) が与えられている。次を定義する:

X = [x, Ax, A^2 x, \dots, A^{n-1} x]

列ベクトルの集合 \( X \) はクライロフ列(Krylov sequence)を形成すると言われる。ここで、\( X \) は非特異と仮定する。

(a) \( X^{-1}AX \) が \( A \) の特性多項式に対する随伴行列(companion matrix, 3.3.12)であることを示せ。

(b) \( R \in M_n \) が任意の非特異上三角行列であり、\( S = X R \) とするとき、\( S^{-1} A S \) が上ヘッセンベルグ行列(upper Hessenberg form)であることを示せ。

(c) \( y \in \mathbb{C}^n \) とし、次を定義する:

Y = [y, A^* y, (A^*)^2 y, \dots, (A^*)^{n-1} y]

ここで \( Y \) は非特異であり、かつ \( Y^* X \) が \( L D U \) と書けるとする。ここで \( L \) は下三角、\( U \) は上三角かつ非特異、\( D \) は対角かつ非特異である。このとき、非特異上三角行列 \( R \) と \( T \) が存在して、\((X R)^{-1} = T^* Y^* \) かつ \( T^* Y^* A X R \) が三重対角かつ \( A \) に相似であることを示せ。

(d) \( A \in M_n \) がエルミート行列(Hermitian)である場合、この考え方を用いて \( A \) に相似な三重対角エルミート行列を生成するアルゴリズムを説明せよ。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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