3.3.8
系 3.3.8.
\( A \in M_n \) が異なる固有値 \( \lambda_1, \lambda_2, \ldots, \lambda_d \) をもつとする。このとき次の多項式を考える。
q(t) = (t - \lambda_1)(t - \lambda_2) \cdots (t - \lambda_d) \tag{3.3.9}
すると、\( A \) が対角化可能であることと \( q(A) = 0 \) が成り立つことは同値である。
この判定法は、与えられた行列が対角化可能かどうかを調べるのに実際的に役立つ。ただし、その固有値がすべて既知である場合に限る。
すなわち、多項式 (3.3.9) を構成して、それが \( A \) を消去するかどうかを確かめればよい。
もし消去すれば、それは \( A \) の最小多項式でなければならない。
なぜなら、より低次の多項式では \( A \) のすべての異なる固有値を根に持つことができないからである。
もし消去しなければ、\( A \) は対角化可能ではない。
この結果をいくつかの同値な形で表現しておくことも有用である。
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