[行列解析3.2.3]

3.2.3

3.2.3 行列とその転置の相似性。\(K_m\) を \(m \times m\) の逆順行列(0.9.5.1)とする。この行列は対称かつ自己逆行列であり、すなわち \(K_m = K_m^T = K_m^{-1}\) である。

演習問題:

\(K_m J_m(\lambda) = J_m(\lambda)^T K_m\) および \(J_m(\lambda)K_m = K_m J_m(\lambda)^T\) を確認せよ。

さらに、\(K_m J_m(\lambda)\) と \(J_m(\lambda)K_m\) が対称であることを導き、次を示せ:

J_m(\lambda) = K_m^{-1} J_m(\lambda)^T K_m = K_m J_m(\lambda)^T K_m

ヒント: (0.9.7) を参照のこと。

この演習問題は、各ジョルダンブロックが逆順行列を通じてその転置と相似であることを示している。したがって、あるジョルダン行列 \(J\)(3.2.1.1)が与えられると、その転置 \(J^T\) は対称かつ自己逆行列

K = K_{n_1} \oplus \cdots \oplus K_{n_k}

を用いて \(J\) と相似であり、次が成り立つ:

J^T = K J K

さらに、もし \(S \in M_n\) が正則行列(必ずしも対称である必要はない)で、\(A = S J S^{-1}\) ならば、

J = S^{-1} A S

であり、次が成立する:

A^T = S^{-T} J^T S^T 
    = S^{-T} K J K S^T 
    = S^{-T} K (S^{-1} A S) K S^T
= (S^{-T} K S^{-1}) A (S K S^T) 
= (S K S^T)^{-1} A (S K S^T)

したがって、\(A\) と \(A^T\) の間の相似変換行列 \(S K S^T\) は対称である。以上により、次の定理が証明された。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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