[行列解析0.2.3]行列または線形変換に関連づけられるベクトル空間

行列

0.2.3 行列または線形変換に関連づけられるベクトル空間

任意の \( n \) 次元ベクトル空間は \( \mathbb{F}^n \) と同型であるため、行列 \( A \in M_{m,n}(\mathbb{F}) \) は線形変換:

x \mapsto Ax

と見なすことができ、その定義域は \( \mathbb{F}^n \)、値域(像)は:

\operatorname{range} A = \{ y \in \mathbb{F}^m : y = Ax \text{ for some } x \in \mathbb{F}^n \}

となります。零空間(null space)は:

\operatorname{nullspace} A = \{ x \in \mathbb{F}^n : Ax = 0 \}

であり、いずれも線形部分空間です。nullspace の次元は nullity A、range の次元は rank A と呼ばれ、以下のrank-nullity 定理が成り立ちます:

\dim(\operatorname{range} A) + \dim(\operatorname{nullspace} A) = \operatorname{rank} A + \operatorname{nullity} A = n

零空間は、\( m \) 個の一次斉次方程式を満たす \( \mathbb{F}^n \) のベクトルの集合です。


行列解析の総本山

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行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

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