7.5.問題1
7.5.P1
\( A, B \in M_n \) が半正定値行列であるとする。
次の概要に基づいて、アダマール積 \( A \circ B \) が半正定値であることを示す別証明を詳しく述べよ。
(a) 行列 \( X = [x_1 \ \cdots\ x_n],\ Y = [y_1 \ \cdots\ y_n] \in M_n \) が存在して、\( XX^{*} = A \) および \( YY^{*} = B \) が成り立つ。
(b) したがって、
A = \sum_{i=1}^{n} x_i x_i^{*}, \quad
B = \sum_{i=1}^{n} y_i y_i^{*}
が成り立つ。
(c) このとき、
A \circ B = \sum_{i,j=1}^{n} (x_i x_i^{*}) \circ (y_j y_j^{*})
が成り立つ。
(d) さらに、もし \( \xi = [\xi_i],\ \eta = [\eta_i] \in \mathbb{C}^n \) ならば、
(\xi \xi^{*}) \circ (\eta \eta^{*}) = (\xi \circ \eta)(\xi \circ \eta)^{*}
が成り立ち、右辺はランク1の半正定値行列である。これにより、すべての項が半正定値であるため、和 \( A \circ B \) もまた半正定値であることがわかる。
行列解析の総本山

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