7.4.問題17
7.4.P17
正則な行列 \(A \in M_n\) とその特異値分解 \(A = V \sigma(A) W^*\) を考える。ここで \(\sigma(A) = \mathrm{diag}(\sigma_1(A), \dots, \sigma_n(A))\) である。(7.4.2) で示したように、\(\sigma_{n-1}(A) = \sigma_n(A)\) の場合、フロベニウスノルムにおける \(A\) の最良特異値近似は少なくとも二つ存在する。
次に、\(B \in M_n\) が特異行列であり、\(\|A - B\|_2 = \sigma_n(A)\)、かつ \(\sigma_{n-1}(A) > \sigma_n(A)\) のとき、\(B\) は (7.4.2) で構成した行列 \(B_0\) であることを示すための証明の概要を詳述する。条件 \(\sigma_{n-1}(A) > \sigma_n(A)\) は (d) および (e) でのみ使用される。
(a) \(\Sigma_0 = \mathrm{diag}(\sigma_1(A), \dots, \sigma_{n-1}(A), 0)\) とする。(7.4.2) の議論を復習し、\(B\) の特異値が \(\Sigma_0\) と同じであること、すなわち \(\sigma(B) = \Sigma_0\) である理由を説明せよ。
(b) \(AB^*\) および \(B^*A\) が半正定値であり、かつ \(\mathrm{tr}(AB^*) = \sum_{i=1}^{n-1} \sigma_i^2(A)\) である理由を説明せよ。
(c) 単位行列 \(X, Y \in M_n\) が存在して、\(A = X \sigma(A) Y^*\)、\(B = X \tilde{\Sigma} Y^*\)、\(\tilde{\Sigma} = \mathrm{diag}(\lambda_1, \dots, \lambda_n) = P \Sigma_0 P^T\) となることを示せ。ここで \(P\) は順列行列である。
(d) \(\tilde{\Sigma} = \Sigma_0\) であることを示せ。
(e) 単位行列 \(Z = U \oplus [e^{i\theta}] \in M_n\) が存在して、\(X = V Z\)、\(Y = W Z\)、かつ \(Z \sigma(A) = \sigma(A) Z\) となることを示せ。
(f) \(Z \Sigma_0 = \Sigma_0 Z\) であることを説明し、結論として \(B = B_0\) となることを示せ。
行列解析の総本山



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