7.4.問題13
7.4.P13
エルミート行列への距離と自己共役ノルム
任意の複素数 \( z \) と実数 \( x \) に対して、次の不等式が成り立つ:
|z - \operatorname{Re} z| \le |z - x|.
これを行列 \( A \in M_n \) に一般化した形として、次の不等式が考えられる:
(7.4.12.22)
\| A - \tfrac{1}{2}(A + A^*) \|
\le \| A - H \|
ここで、\( H \in M_n \) は任意のエルミート行列である。この不等式が、すべてのユニタリ不変ノルムおよびより一般に自己共役ノルムに対して成り立つことを示せ。
したがって、任意の \( A \in M_n \) に対し、ユニタリ不変ノルムに関して \( A \) からエルミート行列全体の閉集合までの距離は次の値で与えられる:
\tfrac{1}{2} \| A - A^* \|,
これは \( A \) の反エルミート部分のノルムに等しい。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
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