6.1.問題16
6.1.P16
「ガウスの消去法は厳密対角優位性を保つ」という格言を検討する問題である。\(n\ge 2\) とし,\(A\in M_n\) が厳密対角優位であると仮定する。
(a) \(A\) の先頭からのすべての主小行列(leading principal submatrices)が非特異であることを説明せよ。
(b) 行列を次のように分割する:
A = \begin{pmatrix} a & y^{T} \\ x & B \end{pmatrix},
ここで \(x,y\in \mathbb{C}^{n-1}\) である。第1列に対してガウス消去を行うと,
A' = \begin{pmatrix} a & y^{T} \\ 0 & C \end{pmatrix}, \\ C = B - a^{-1} x y^{T}
このとき \(C\)(したがって \(A'\))が厳密対角優位であることを示せ。
(c) ブロック分割
A = \begin{pmatrix} A_{11} & A_{12} \\ A_{21} & A_{22} \end{pmatrix},
ここで \(A_{11}\in M_k\) とする。シュール補行列
\(C = A_{22}-A_{21}A_{11}^{-1}A_{12}\) を考え,(a) と帰納法を用いて,ブロック単位のガウス消去後の行列
\begin{pmatrix} A_{11} & A_{12} \\ 0 & C \end{pmatrix}
が厳密対角優位であることを説明せよ。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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