[行列解析5.7.P22]

5.7.問題22

5.7.P22

不等式 (5.7.21) および (5.6.P23) の

\frac{1}{\sqrt{n}} \|A\|_2 \le \|A\|_2 \le \|A\|_2

から、次が成り立つことを導きます:

\frac{1}{2 \sqrt{n}} \|A\|_2 \le r(A) \le \|A\|_2

上界が鋭いことを示し、下記の例を確認します:

- \(A = J_2(0)\) は (5.7.21) の下界における等号の例

- \(A = I\) は (5.7.22) の下界における等号の例

- \(A = E_{11}\) は (5.7.21) および (5.7.22) の上界における等号の例

これにより、(5.7.23) の上界が鋭いことが示され、等号となる例も示すことができます。一方、下界は鋭くありません。全ての \(A \in M_n\) に対して、有限の最大正定定数 \(c_n\) が存在して \(c_n \|A\|_2 \le r(A)\) が成り立ちます。既知の値は、偶数 \(n\) の場合 \(c_n = (2n)^{-1/2}\)、奇数 \(n\) の場合 \(c_n = (2n-1)^{-1/2}\) です。偶数の場合、等号となる行列は \(|\alpha| = r(A)\) を満たす \(\alpha J_2(0)\) の直接和にユニタリ相似なものです。奇数の場合は、1×1 の直接和 [α] も含める必要があります。


行列解析の総本山

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行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

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