[行列解析5.6.P42]

5.6.問題42

5.6.P42

スペクトルノルムは絶対ノルムではないが、絶対ベクトルノルムから誘導されるすべての行列ノルムは、前問の (c) 部で示された弱い単調性を持つ。行列ノルム \(\| \cdot \|\) は正の直交体(positive orthant)上で単調であるとは、\(A,B \in M_n(\mathbb{R})\) かつ \(A \ge B \ge 0\)(成分ごとの不等式)のとき \(\|A\| \ge \|B\|\) が成り立つことをいう。次の証明の詳細を示せ:単調ベクトルノルムから誘導される任意の行列ノルムは正の直交体上で単調である。すなわち、\(A,B \in M_n(\mathbb{R})\) で \(A \ge B \ge 0\) とする。行列ノルム \(\| \cdot \|\) は単調ベクトルノルム \(\|\cdot\|\) から誘導されるとする。このとき

\|B\| = \max_{x \neq 0} \frac{\|Bx\|}{\|x\|} \\
= \max_{x \neq 0} \frac{\| |Bx| \|}{\|x\|} \\
\le \max_{x \neq 0} \frac{\| B|x| \|}{\|x\|} \\
\le \max_{x \neq 0} \frac{\| A|x| \|}{\|x\|} \\
\le \max_{x \neq 0} \frac{\|Ax\|}{\|x\|} \\
= \|A\|


行列解析の総本山

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