[行列解析5.5.3]集合と位相的性質の定義

5.5.3

定義 5.5.3. 実または複素ベクトル空間 \(V\) にノルム \(\| \cdot \|\) が与えられているとする。\(S\) を \(V\) の部分集合とする。

\(x \in S\) が \(S\) の内点であるとは、ある \(\epsilon \gt 0\) が存在して \(B(\epsilon; x) \subset S\) となることをいう。

集合 \(S\) が開集合であるとは、\(S\) の各点が内点であることをいう。集合 \(S\) が閉集合であるとは、その補集合が開集合であることをいう。

\(S\) の極限点とは、ある列 \(\{x(k)\} \subset S\) が存在して、ノルム \(\| \cdot \|\) に関して \(\lim_{k \to \infty} x(k) = x\) となる点 \(x \in V\) をいう。

\(S\) の閉包とは、\(S\) とその極限点全体の和集合である。

\(S\) の境界とは、\(S\) の閉包と補集合の閉包の共通部分である。

集合 \(S\) が有界であるとは、ある \(M \gt 0\) が存在して \(S \subset B_{\|\cdot\|}(M; 0)\) が成り立つことをいう。

集合 \(S\) がコンパクトであるとは、任意の開集合族 \(\{S_\alpha\}\) が \(S \subset \bigcup_\alpha S_\alpha\) を満たすとき、有限個の開集合 \(S_{\alpha_1}, \ldots, S_{\alpha_N}\) を選んで \(S \subset \bigcup_{i=1}^N S_{\alpha_i}\) が成り立つことをいう。


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