5.3.問題集
5.3.P1
定理 (5.3.1) から、二つのノルムの和または最大値がノルムになることを導け。最小値(min)はどうか。
(注)ここで「和」は \( \lVert x \rVert = \lVert x \rVert_{\alpha} + \lVert x \rVert_{\beta} \) を、「最大値」は \( \lVert x \rVert = \max\{ \lVert x \rVert_{\alpha}, \lVert x \rVert_{\beta} \} \) を意味する。
5.3.P2
\(m=2\) とする。次を示せ:
\lVert x \rVert = |x_1 - x_2| + |x_2| \\ \quad (x = [x_1,x_2]^T \in \mathbb{R}^2)
は \( \mathbb{R}^2\) 上のノルムであるが、(5.3.1) で仮定している単調性(成分非負ベクトルに対して \( \lVert y \rVert \le \lVert y+z \rVert \) が成り立つ性質)を満たさないことを示せ。
さらに、次の関数を考える:
f(x) = \Big\lVert \begin{bmatrix} \lVert x \rVert_\infty \\[4pt] \lVert x \rVert_1 \end{bmatrix} \Big\rVert
ここで内側のベクトルを評価すると(適切な \( \mathbb{R}^2\) 上のノルムをとれば)次の同値式が得られる:
f(x) = \min\{ |x_1|, |x_2| \} + |x_1| + |x_2|.
この関数は非負性・正定性・斉次性(ノルムの公理 (1),(1a),(2))は満たすが、三角不等式(公理 (3))は満たさないことを示せ。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
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