[行列解析5.1.P14]

5.1.問題14

5.1.P14

実数 \(x_1, \ldots, x_n\) が与えられているとする。その平均を \(\mu = n^{-1}\sum_{i=1}^n x_i\)、分散を \(\sigma = \left( n^{-1}\sum_{i=1}^n (x_i - \mu)^2 \right)^{1/2}\) とする。コーシー–シュワルツの不等式を用いて、任意の \(j \in \{1,\ldots,n\}\) に対して次が成り立つことを示せ:

(x_j - \mu)^2 \leq (n - 1)\sigma^2

ただし、ある \(j\) について等号が成り立つのは、全ての \(p, q \neq j\) に対して \(x_p = x_q\) が成り立つ場合に限られる。この結果、次の鋭い評価式が得られる:

\mu - \sigma \sqrt{n - 1} \leq x_j \leq \mu + \sigma \sqrt{n - 1}

この評価は、E. N. Laguerre (1880) と P. N. Samuelson (1968) の名前に結びついている。


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