[行列解析4.5.P37]

4.5.問題37

4.5.P37

\(A ∈ M_n\) を正則行列とする。次の六つの条件が同値であることを示せ((a) と (b) の同値は (4.5.24) に示されている):

(a) \(A\) は ∗合同で対角化可能である。すなわち、正則行列 \(S ∈ M_n\) と対角ユニタリ行列 \(D = \mathrm{diag}(e^{iθ_1}, …, e^{iθ_n})\) が存在して、\(A = SDS∗\) となる。

(b) \(A^{−∗}A\) は対角化可能であり、その固有値のすべての絶対値は 1 である。

(c) 正則行列 \(S ∈ M_n\) と正則対角行列 \(Λ\) が存在して \(A = SΛS^∗\) となる。

(d) \(\mathbb{C}^n\) の二つの基底 \(X = [x_1 … x_n]\) および \(Y = [y_1 … y_n]\) と正則対角行列 \(Λ = \mathrm{diag}(λ_1, …, λ_n)\) が存在して、\(X^∗Y = I\) かつ \(Ax_j = λ_j y_j\) が \(j = 1, …, n\) に対して成り立つ。

(e) 正定値行列 \(B ∈ M_n\) が存在して \(A^∗BA = ABA^∗\) が成り立つ。

(f) 正定値行列 \(B ∈ M_n\) および正則な正規行列 \(C ∈ M_n\) が存在して \(A = BCB\) が成り立つ。

これら六つの条件はそれぞれ正規行列の性質を表している。このため、∗合同で対角化可能な行列は「正規化可能 (normalizable)」であると言われる。


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