4.5.5
定理 4.5.5.
∗合同および合同はいずれも同値関係である。
証明.
反射律: \(A = I A I^{*}\)。
対称律: もし \(A = S B S^{*}\) であり、かつ \(S\) が正則であれば、
B = S^{-1} A (S^{-1})^{*}
が成り立つ。
推移律: もし \(A = S_{1} B S_{1}^{*}\)、かつ \(B = S_{2} C S_{2}^{*}\) であれば、
A = (S_{1} S_{2}) C (S_{1} S_{2})^{*}
が成り立つ。
T-合同に関する反射律・対称律・推移律の検証も同様に行える。
では、∗合同およびT-合同に対してどのような標準形が利用可能であろうか。
すなわち、\(M_{n}\) を∗合同(あるいはT-合同)による同値類に分けた場合、それぞれの同値類からどのように標準的な代表を選ぶことができるだろうか。
まず最も単純な場合から考え始めることにする。
すなわち、∗合同におけるエルミート行列の標準形、およびT-合同における複素対称行列の標準形である。
行列解析の総本山

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