4.4.問題38
4.4.P38
\(A \in M_n\) とし、次の行列を定義する:
A_{2n} = \begin{pmatrix} 0 & A \\ A^T & 0 \end{pmatrix} \in M_{2n}.
行列 \(A\) が QS 分解を持つとは、複素直交行列 \(Q \in M_n\) と複素対称行列 \(S \in M_n\) が存在して \(A = QS\) と書けることをいう。
既知の事実として、任意の \(k = 1, \dots, n\) に対して \(\text{rank}(AA^T)^k = \text{rank}(A^T A)^k\) が成り立つ場合に限り、\(A\) は QS 分解を持つ。
(a) このランク条件を用いて、\(A\) が QS 分解を持つことと \(AA^T\) が \(A^T A\) に相似であることが同値であることを示せ。
(b)
\begin{pmatrix} 1 & i \\ 0 & 0 \end{pmatrix}
は QS 分解を持つか?
(c) \(A\) が非特異と仮定する。なぜ QS 分解を持つのか?この場合、ある多項式 \(p(t)\) が存在して \(S = p(A^T A)\) と書ける。さらに \(A\) が実行列なら、\(Q\) と \(S\) は共に実行列として選ぶことも可能である(Horn and Johnson, 1991, 定理6.4.16 を参照)。
(d) \(A\) が QS 分解を持つ場合、類似行列 \(Q \oplus I\) を用いて
\begin{pmatrix} 0 & S \\ S & 0 \end{pmatrix}
に相似であることを示せ。
なぜ \(A\) のジョルダン標準形が \(J_k(\lambda) \oplus J_k(-\lambda)\) の直和のみで構成されるか説明せよ。単位行列の特別な QS 分解は (2.5.20(b)) を参照。
行列解析の総本山

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