[行列解析3.5.14]定理(LPDU 分解)

定理 3.5.14(LPDU 分解).

定理 3.5.14(LPDU 分解).

任意の非特異行列 \( A \in M_n \) に対して、一意的な置換行列 \( P \)、一意的な非特異対角行列 \( D \)、単位下三角行列 \( L \)、単位上三角行列 \( U \) が存在し、次を満たす:

A = L P D U

証明.

定理 3.5.11 により、単位下三角行列 \( L \)、一意的な置換行列 \( P \)、非特異な上三角行列 \( U' \) が存在し、

A = L P U'

が成り立つ。ここで、\( U' \) の対角成分と同じ成分をもつ対角行列を \( D \) と定める、すなわち

D = \operatorname{diag}(\operatorname{diag}(U'))

とし、さらに \( U = D^{-1} U' \) とおく。このとき \( U \) は単位上三角行列であり、

A = L P D U

が得られる。次に、もし \( D_{2} \) が対角行列であって、

A = L_{2} P D_{2} U_{2}

と表されるとしよう。ここで \( L_{2} \) は単位下三角行列、\( U_{2} \) は単位上三角行列である。このとき次が成り立つ:

(P^{T}(L_{2}^{-1} L)P) D = D_{2}(U_{2} U^{-1}) \tag{3.5.15}

ここで、\( U_{2}U^{-1} \) および \( L_{2}^{-1}L \) の主対角成分はすべて 1 であることは明らかである。また、前の演習により \( P^{T}(L_{2}^{-1}L)P \) の主対角成分もすべて 1 であることが保証される。したがって、(3.5.15) の左辺の主対角は \( D \) の主対角と一致し、右辺の主対角は \( D_{2} \) の主対角と一致する。ゆえに、

D = D_{2}


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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