[行列解析3.2.9]

3.2.9

3.2.9 ジョルダン標準形の最適性に関する性質。行列のジョルダン標準形は、非零の非対角成分が第一上対角成分にしか現れない上三角行列の直和である。そのため、多くの成分が 0 になる。しかし、与えられた行列に相似なすべての行列の中で、ジョルダン標準形が必ずしも非零成分の数が最も少ないとは限らない。

例えば、次の行列

A =
\begin{bmatrix}
0 & 0 & 0 & -1 \\
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 & 2 \\
0 & 0 & 1 & 0
\end{bmatrix}
\tag{3.2.9.1}

は 5 個の非零成分を持つ。しかしそのジョルダン標準形 \( J = J_2(1) \oplus J_2(-1) \) は 6 個の非零成分を持つ。

ただし、\( A \) の場合には非零の非対角成分が 5 個あるのに対し、\( J \) では非零の非対角成分は 2 個しかない。次に、なぜ \( A \) に相似などの行列も、非零の非対角成分が 2 個未満にはならないのかを説明する。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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