3.2.6
3.2.6 幾何的重複度と代数的重複度の不等式。ある行列 \( A \in M_n \) の固有値 \(\lambda\) に対する幾何的重複度は、\(\lambda\) に対応するジョルダンブロックの個数である。この個数は、\(\lambda\) に対応するジョルダンブロックの大きさの総和以下である。この総和こそが \(\lambda\) の代数的重複度である。したがって、固有値の幾何的重複度はその代数的重複度以下である。
固有値 \(\lambda\) の幾何的重複度と代数的重複度が等しい(すなわち \(\lambda\) が半単純固有値である)のは、\(\lambda\) に対応するすべてのジョルダンブロックが \(1 \times 1\) の場合に限られる。
この固有値に関する代数的重複度と幾何的重複度の不等式については、すでに全く異なる観点から議論した(式 (1.2.18)、(1.3.7)、および (1.4.10) を参照)。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。


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