[行列解析3.2.1]ジョルダン行列の構造

3.2.1ジョルダン行列の構造

ジョルダン行列

J=
\begin{bmatrix}
J_{n_1}(\lambda_1) & & \\
 & \ddots & \\
 & & J_{n_k}(\lambda_k)\\
\end{bmatrix}, \\
\quad n_1 + n_2 + \cdots + n_k = n

は、どの行列でもそれに相似な場合に基本的な性質を明らかにするような一定の構造を持っています。

1. ジョルダンブロックの数 \( k \) (同じブロックの複数回の出現も数える)は、\( J \) の線形独立な固有ベクトルの最大数です。

2. 行列 \( J \) が対角化可能であるのは、\( k = n \) のとき、すなわちすべてのジョルダンブロックが 1×1 の場合に限ります。

3. ある固有値に対応するジョルダンブロックの数は、その固有値の幾何的重複度(対応する固有空間の次元)です。また、その固有値に対応するジョルダンブロックのサイズの総和は、その固有値の代数的重複度です。

4. \( A \in M_n \) を与えられた非零行列とし、\( \lambda \) が \( A \) の固有値であるとします。(3.1.14) と (3.1.15) の記法を用いると、ある正の整数 \( q \) が存在して次が成り立ちます。

r_1(A, \lambda) \gt r_2(A, \lambda) \gt \\
\cdots \gt r_{q-1}(A, \lambda) \\
\gt r_q(A, \lambda) = r_{q+1}(A, \lambda)

この整数 \( q \) は、\( \lambda \) が \( A \) の固有値として持つ指数であり、同時に \( \lambda \) を固有値とする \( A \) の最大のジョルダンブロックのサイズです。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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