[行列解析0.9.8]ハンケル行列(Hankel matrices)

行列

0.9.8 ハンケル行列(Hankel matrices)

\( A \in \mathbb{M}_{n+1}(F) \) が次の形式の行列であるとき、これを ハンケル行列と呼びます:

 A = \begin{bmatrix} a_0 & a_1 & a_2 & \cdots & a_n \\ a_1 & a_2 & a_3 & \cdots & a_{n+1} \\ a_2 & a_3 & a_4 & \cdots & a_{n+2} \\ \vdots & \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_n & a_{n+1} & a_{n+2} & \cdots & a_{2n} \end{bmatrix} 

各成分 \( a_{ij} \) は、ある数列 \( a_0, a_1, a_2, \ldots, a_{2n} \) に対して \( a_{i+j-2} \) と等しくなります。 このように、ハンケル行列の成分は主対角線に垂直な対角線に沿って一定です。

ハンケル行列は、モーメント問題(moment problems)におけるべき乗モーメント(power moments)を扱う際に自然に現れます。

適切なサイズの反転行列 \( K \)(定義は 0.9.5.1)を用いると、任意のテプリッツ行列 \( A \) に対して、\( KA \) および \( AK \) はハンケル行列になります。 また、任意のハンケル行列 \( H \) に対して、\( KH \) および \( HK \) はテプリッツ行列になります。

これは、\( K = K^T = K^{-1} \) かつハンケル行列は対称行列であるという事実に基づいています。したがって、任意のテプリッツ行列は、特殊な構造をもつ2つの対称行列:反転行列とハンケル行列の積として表すことができることを意味します。


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