[行列解析0.7]分割された集合と行列

行列

0.7 分割された集合と行列

集合 \( S \) の分割とは、\( S \) の部分集合の集まりであり、各要素がそのいずれか一つだけに含まれているようなものを指します。たとえば、集合 \( \{1, 2, \ldots, n\} \) の分割は、インデックス集合と呼ばれる部分集合 \( \alpha_1, \ldots, \alpha_t \) の集まりで、1から \( n \) までの各整数が、ちょうど一つのインデックス集合に含まれるようになっています。

特に次のような形の分割を順序分割(sequential partition)と呼びます:

\alpha_1 = \{1, \ldots, i_1\},\ \alpha_2 = \{i_1 + 1, \ldots, i_2\},\ \ldots,\ \alpha_t = \{i_{t-1} + 1, \ldots, n\}

行列の分割とは、その行列を部分行列に分解することを指し、元の行列の各要素がただ一つの部分行列に含まれるようにします。これは行列の構造を把握する上で便利です。

たとえば、列方向に分割された \( B = [b_1\ \ldots\ b_n] \in \mathbb{M}_n(F) \) を考えると、積 \( AB \) は次のように表されます:

AB = [Ab_1\ \ldots\ Ab_n]
  • 0.7.1 部分行列
  • 0.7.2 分割、ブロック行列、積の計算
  • 0.7.3 分割行列の逆行列
  • 0.7.4 Sherman–Morrison–Woodbury 公式
  • 0.7.5 相補零空間次元
  • 0.7.6 分割行列の階数とランク主小行列
  • 0.7.7 可換性、反可換性、およびブロック対角行列
  • 0.7.8 vec写像

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行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

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