6.固有値の位置と摂動

6.固有値の位置と摂動

[行列解析6.2.3]補題:ゲルシュゴリン円盤と固有ベクトルの関係

6.2.3補題6.2.3. 行列 \(A = \in M_n\) に対して、\(\lambda, x\) が固有対(eigenpair)であり、\(\lambda\) が不等式 (6.2.2a) を満たすとする。このとき次が成り立つ。(a)...
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[行列解析6.2.2]補題:ゲルシュゴリン円盤の性質

6.2.2補題6.2.2. 行列 \(A = \in M_n\) と複素数 \(\lambda \in \mathbb{C}\) を考える。 (a) \(\lambda\) が任意のゲルシュゴリン円盤の内部に含まれないことは、次の不等式がす...
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[行列解析6.2]ゲルシュゴリン円盤 – 詳細な解析

6.2.目次6.2.2 補題:ゲルシュゴリン円盤の性質6.2.3 補題:ゲルシュゴリン円盤と固有ベクトルの関係6.2.5 定理:ゲルシュゴリン円と固有値の関係6.2.6 系:対角優位性から得られる非特異性の判定6.2.7 定義:行列の性質S...
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[行列解析6.1]注記と参考文献

注記と参考文献6.1.1 のオリジナルの参照文献はゲルシュゴリン, "Über die Abgrenzung der Eigenwerte einer Matrix", Izv. Akad. Nauk. S.S.S.R. 7 (1931)...
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[行列解析6.1.P21]

6.1.問題216.1.P21特殊な構造を持つ行列においては、(6.1.10–11) の仮定より弱い条件でも非特異性を保証できる場合がある。循環行列 \(A = \in M_n\) の場合、任意の 1 行が対角優勢であれば非特異であることを...
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[行列解析6.1.P20]

6.1.問題206.1.P20行列 \(A \in M_n\) の固有値 \(\lambda\) の幾何学的重複度が \(k \ge 1\) 以上であるとする。(a)\(\lambda\) は \(A\) の n − k + 1 個の異なる...
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[行列解析6.1.P19]

6.1.問題196.1.P19行列 \(A = \in M_n\) の固有値 \(\lambda\) の幾何学的重複度が \(k \ge 1\) であるとする。このとき、k 個の異なるインデックス \(i_1, \dots, i_k \in...
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[行列解析6.1.P18]

6.1.問題186.1.P18行列 \(X = \in M_{n,k}\) が列ランク満たしているとする。このとき、非特異な行列 \(R \in M_k\) が存在し、行列 \(Y = = = XR\) が次の性質を持つことを示す:k 個の...
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[行列解析6.1.P17]

6.1.問題176.1.P17 この問題はゲルシュゴリンの定理をブロック行列に拡張するものである。まず前提を説明する。与えられた行列ノルム \( \!\!\;|\!|\!|\cdot|\!|\! \!\)(以下単に \( \!\;|\!|\...
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[行列解析6.1.P16]

6.1.問題166.1.P16 「ガウスの消去法は厳密対角優位性を保つ」という格言を検討する問題である。\(n\ge 2\) とし,\(A\in M_n\) が厳密対角優位であると仮定する。(a) \(A\) の先頭からのすべての主小行列(...
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[行列解析6.1.P15]

6.1.問題156.1.P15 \(A=\in M_n\) が対角優位であるとする。次を示せ/説明せよ。(a) \(\rho(A)\le 2\max_i |a_{ii}|\) が成り立つことを示せ。(b) もし \(A\) が厳密対角優位な...
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[行列解析6.1.P14]

6.1.問題146.1.P14 \(A=\in M_n\) とする。次の各項を示せ/説明せよ。(a) ある \(i,j\) に対して \( |a_{ii}-a_{jj}| \gt R_i + R_j \) が成り立つならば,行 \(i\) ...
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[行列解析6.1.P13]

6.1.問題136.1.P13 \(A=\in M_n(\mathbb{R})\) が厳密対角優位であるとする。すなわち各 \(i\) について \( |a_{ii}| \gt R_i \) が成り立つとする。このとき \(\det A\)...
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[行列解析6.1.P12]

6.1.問題126.1.P12 \(A\in M_n\) とする。もし \(A\) が Toeplitz(テプリッツ)行列、あるいはより一般にパース対称(persymmetric)でありかつすべての主対角成分が等しいならば,\(G(A)=G...
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[行列解析6.1.P11]

6.1.問題116.1.P11 \(A==\in M_n\) とする。次を示せ。\operatorname{rank} A \ge \sum_{i:\,a_i\neq 0} \frac{|a_{ii}|^2}{\|a_i\|_2^2},ここ...
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[行列解析6.1.P10]

6.1.問題106.1.P10 \(A==\in M_n\) とする。次の下界を示せ:\operatorname{rank} A \ge \sum_{i:\,a_i\neq 0} \frac{|a_{ii}|}{\|a_i\|_1},ここで...
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[行列解析6.1.P9]

6.1.問題96.1.P9 \(A=\in M_n\) を厳密対角優位とする。すなわち \( |a_{ii}| \gt R_i \) がすべての \(i\) で成り立つとする。 \(D=\mathrm{diag}(a_{11},\dots,...
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[行列解析6.1.P8]

6.1.問題86.1.P8 \(A=\in M_n\) が厳密対角優位、すなわちすべての \(i=1,\dots,n\) に対して \( |a_{ii}| \gt R_i \) であるとする。このとき少なくとも一つの \(k\in\{1,\...
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[行列解析6.1.P7]

6.1.問題76.1.P7 \(A\in M_n\) が冪等行列(idempotent)であり \(A\neq I\) であると仮定する。すると \(A\) は厳密な対角優位(あるいは既約に厳密な対角優位)であり得ないことを示せ(参照:(6...
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[行列解析6.1.P6]

6.1.問題66.1.P6 \(A=\in M_n\) とし,ある \(i\) に対して \( |a_{ii}| \gt R_i \) が \(k\) 個の異なる値で成り立つとする。このとき主小行列(principal submatrice...
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[行列解析6.1.P5]

6.1.問題56.1.P5 行列 \(A\in M_n\) の n 個のゲルシュゴリン円板が互いに互いに素(互いに交わらない)であるとする。次を示せ。 (a) \(A\) が実行列ならば,\(A\) のすべての固有値は実数である。 (b) ...
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[行列解析6.1.P4]

6.1.問題46.1.P4 \(A\in M_n\) とし,(6.1.2) で定義された集合 \(G(A)\) を考える。本文中で「すべての固有値が \(G(A)\) に含まれる」という主張が (6.1.10a) を含意することを示した。逆...
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[行列解析6.1.P3]

6.1.問題36.1.P3 \(A==\in M_n\) とする。式 (6.1.5) を用いて次を示せ:\left| \det A \right|\le \prod_{j=1}^n \left( \sum_{i=1}^n |a_{ij}| ...
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[行列解析6.1.P2]

6.1.問題26.1.P2 次を示せ:\bigcap_{S\ \text{nonsingular}} G(S^{-1} A S) = \sigma(A),ここで交差はすべての正則行列 \(S\) についてとるものとする(すなわち,任意の相似...
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[行列解析6.1.P]

6.1.問題6.1.P1 次の\(n\)-by-\(n\)system反復アルゴリズムを用いて線形方程式 \(Ax=y\) を解くことを考える。ここで \(A\) と \(y\) は与えられている。(i) \(B=I-A\) とおき,sys...
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[行列解析6.1]問題集

6.1.問題集6.1.P1 次の\(n\)-by-\(n\)system反復アルゴリズムを用いて線形方程式 \(Ax=y\) を解くことを考える。ここで \(A\) と \(y\) は与えられている。(i) \(B=I-A\) とおき,sy...
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[行列解析6.1.11]ゲルシュゴリン定理の拡張と非特異行列の条件(Vargaの結果)

6.1.11本節では、行列の対角優位性に基づく非特異性の条件をさらに一般化する定理を述べる。この結果は、ゲルシュゴリンの円板定理とその変形に関連し、固有値が取りうる範囲の幾何的な理解に寄与する。定理 6.1.11 \( A = \in M_...
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[行列解析6.1.10]厳密対角優位行列とその性質(Levy–Desplanquesの定理の拡張)

6.1.10厳密に対角優位である行列は、その構造上、ゼロ固有値をもたないことが知られている。この性質は、ゲルシュゴリンの円板定理を用いることで自然に導かれる。本節では、厳密対角優位行列に関する重要な結果をまとめる。定理 6.1.10 \( ...
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[行列解析6.1.9]対角優位行列とLevy–Desplanquesの定理

6.1.9次に、対角優位(diagonally dominant)行列の定義を与える。この性質は、ゲルシュゴリンの円板定理を用いた固有値の評価と深く関係している。定義 6.1.9 \( A = \in M_n \) とする。行列 \( A ...
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[行列解析6.1.8]スペクトル半径と対角スケーリングに関する補題と練習問題

6.1.8次の系(Corollary)は、行列のスペクトル半径に関する有用な評価式を与えるものである。系 6.1.8 \( A = \in M_n \) とする。このとき次が成り立つ。\rho(A) \le \min_{p_1, \ldot...