7.3.問題17
7.3.P17
\( A \in M_{n} \) の固有値を絶対値の大きい順に並べて \( |\lambda_{1}(A)| \ge \cdots \ge |\lambda_{n}(A)| \) とする。
(a) H. Weyl(1949)による次の不等式は、固有値の絶対値と特異値の間の乗法的メジャライゼーションを表す:
|\lambda_{1} \cdots \lambda_{k}| \le \sigma_{1} \cdots \sigma_{k} \quad (k = 1, \dots, n),
ただし \( k = n \) の場合には等号が成立する。この証明は Horn and Johnson (1991) の定理 3.3.2 を参照せよ(別証明は (5.6.P57) を参照)。特に \( k = 1 \) および \( k = n \) の場合において、なぜWeylの積の不等式が成り立つのかを説明せよ。
(b) 乗法的不等式 (7.3.16) から、次の加法的不等式が導かれる:
|\lambda_{1}| + \cdots + |\lambda_{k}| \le \sigma_{1} + \cdots + \sigma_{k} \quad (k = 1, \dots, n).
その証明は Horn and Johnson (1991) の定理 3.3.13 を参照せよ。また、(7.3.15) の不等式が、\( A \) の固有値の絶対値と特異値の間の厳密なメジャライゼーション関係ではない理由を説明せよ。
行列解析の総本山

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