一般的に拡張不等式は、完全ではありません。
すなわち、複素数α、β、θ(θ≠0)に対して、
- \(α <_θ β\)
- \(α = β\)
- \(α >_θ β\)
のいずれの関係も満たさない場合(すなわち比較不可能な場合)があります。
完全拡張不等式
複素数全体を、ポジティブ集合\(P\)と、ネガティブ集合と0からなるようにポジティブ集合を定義します。
例えば、
\[P=\{x+yi| x>0 または (x=0 かつ y>0)\}\]
と定義します。
このようにすると、任意の複素数α、β、θ(θ≠0)に対して、
- \(α <_θ β\)
- \(α = β\)
- \(α >_θ β\)
のいずれかが成立するようになります。
例えば、
\(-5<_1 3-2i\)
\(5>_i 3-6i\)
などが成立します。
すこし複雑な例ですと、
\(10+2i <_{[-2+i]} 6-6i\)
といった拡張不等式があります。
この拡張不等式が成立することは、
\(\displaystyle \frac{(6-6i)-(10+2i)}{-2+i} \in P\)であるかどうかで判定します。
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