2.1.p20
2.1.問題20
\( U \in M_n \) がユニタリであるとき、余因子行列(adjugate)について次を示せ:
\mathrm{adj}(U) = (\det U) U^*
よって \( \mathrm{adj}(U) \) もユニタリであることを結論せよ。
ヒント
ユニタリ行列 \( U \) に対して余因子行列 \( \mathrm{adj}(U) \) がどのような形になるかを調べ、その結果として \( \mathrm{adj}(U) \) もユニタリ行列となることを示す問題である。
一般の正方行列 \( A \) について成り立つ基本恒等式 \( A\,\mathrm{adj}(A)=\det(A)I \) を利用する。
ユニタリ行列では \( U^{-1}=U^{*} \) が成立するので、この恒等式と組み合わせることで余因子行列の形が決定される。
さらにユニタリ性の定義である \( U^{*}U=I \) を用いれば、余因子行列がユニタリであることも結論できる。
解答例
まず任意の正方行列 \( A \in M_n \) に対して次の恒等式が成り立つことが知られている。
A\,\mathrm{adj}(A)=\det(A)I
ここで \( A=U \) とし、さらに \( U \) がユニタリであると仮定する。ユニタリ性より \( U^{-1}=U^{*} \) が成立するので、上式の両辺に左から \( U^{-1} \) を掛けると次を得る。
\mathrm{adj}(U)=\det(U)\,U^{-1}
さらに \( U^{-1}=U^{*} \) を代入すると
\mathrm{adj}(U)=\det(U)\,U^{*}
これで示すべき等式が得られた。
次に \( \mathrm{adj}(U) \) がユニタリであることを示す。
まずユニタリ行列に対しては \(|\det(U)|=1\) が成り立つ。
よってある複素数 \( \lambda \) が存在して \( \lambda=\det(U) \)、かつ \( |\lambda|=1 \) と書ける。このとき
\mathrm{adj}(U)=\lambda U^{*}
が成立している。
ここでユニタリ性の確認として、随伴行列をとって積を計算する。
\mathrm{adj}(U)^{*}\,\mathrm{adj}(U)
=(\lambda U^{*})^{*}(\lambda U^{*})
=\overline{\lambda}\lambda\,UU^{*}
=|\lambda|^{2}I
=I
したがって \( \mathrm{adj}(U)^{*}\mathrm{adj}(U)=I \) であり、\( \mathrm{adj}(U) \) はユニタリ行列である。
以上により、余因子行列が求める形をもち、さらにユニタリ性も保たれることが示された。
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