[行列解析2.1.18]定理

2.1.18

定理 2.1.18.

もし \(X = [x_1 \; \cdots \; x_k] \in M_{n,k}\)、\(Y = [y_1 \; \cdots \; y_k] \in M_{n,k}\) が直交正規な列を持つならば、あるユニタリ行列 \(U \in M_n\) が存在して \(Y = U X\) が成り立つ。さらに、もし \(X\) と \(Y\) が実であれば、\(U\) も実に取ることができる。

証明.

直交正規なリスト \(x_1, \ldots, x_k\) および \(y_1, \ldots, y_k\) を \(\mathbb{C}^n\) の直交正規基底に拡張する (式 (0.6.4–5) 参照)。すなわち、ユニタリ行列

V = [X \; X_2], \quad W = [Y \; Y_2] \in M_n

を構成する。このとき \(U = W V^*\) はユニタリであり、

[Y \; Y_2] = W = U V = [U X \; U X_2]

が成り立つので、\(Y = U X\) を得る。

さらに \(X, Y\) が実の場合、行列 \([X \; X_2]\)、\([Y \; Y_2]\) を実直交行列(\(\mathbb{R}^n\) の直交正規基底を列に持つ行列)として選ぶことができる。


行列解析の総本山

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行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

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