1.3.P15
1.3.問題15
\( A \in M_n \) と多項式 \( p(t) \) が与えられたとする。
もし \( A \) が対角化可能ならば、\( p(A) \) も対角化可能であることを示せ。
逆は成り立つか?
ヒント
対角化可能であるとは、行列が対角行列に相似であることを意味する。多項式 \( p(A) \) は相似変換と可換であるため、まず \( A \) を対角行列で表し、その多項式を考えるとよい。逆については、具体的な反例を考える。
解答例
\( A \in M_n \) が対角化可能であると仮定する。このとき、ある正則行列 \( P \) が存在して
P^{-1} A P = D = \mathrm{diag}(\lambda_1,\lambda_2,\ldots,\lambda_n)
と書ける。ここで \( \lambda_1,\lambda_2,\ldots,\lambda_n \) は \( A \) の固有値である。
多項式 \( p(t) \) に対して、
p(A) = P\, p(D)\, P^{-1}
が成り立つ。一方、対角行列 \( D \) に多項式を代入すると
p(D) = \mathrm{diag}\bigl(p(\lambda_1),p(\lambda_2),\ldots,p(\lambda_n)\bigr)
となり、これは対角行列である。したがって \( p(A) \) は対角行列 \( p(D) \) に相似であり、\( p(A) \) は対角化可能である。
次に逆について考える。\( p(A) \) が対角化可能であっても、\( A \) が対角化可能とは限らない。例えば、零でない冪零行列 \( A \) に対し、多項式 \( p(t)=t^2 \) を取ると \( p(A)=A^2=0 \) となる。零行列は対角化可能であるが、\( A \) 自身は対角化可能でない場合がある。よって逆は一般には成り立たない。
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