下記の2行2列の行列について、固有値と固有ベクトルを求めた結果をまとめておきます。
\(\displaystyle \begin{bmatrix} a&b\\c&d\end{bmatrix}\)
ここで\(a,b,c,d\)は実数または複素数です。
固有値
まず、固有値を求めます。
特性方程式は、
\(\displaystyle \begin{vmatrix} t-a&-b\\-c&t-d\end{vmatrix}\)
\(\displaystyle =t^2-(a+d)t+(ad-bc)\)
ですから、固有値\(λ_1,λ_2\)は解の公式をつかって
\(\displaystyle λ_1=\frac{1}{2}\left( a+d-\sqrt{(a-d)^2+4bc}\right)\)
\(\displaystyle λ_2=\frac{1}{2}\left( a+d+\sqrt{(a-d)^2+4bc}\right)\)
となります。
この式をみてわかるように、
\((a-d)^2+4bc=0\)
の時は2つの固有値が重複(\(λ_1=λ_2\))となります。
固有ベクトル
それぞれの固有値に対する固有ベクトルは、
- \(b \not=0\)の場合、固有値\(λ_1,λ_2\)の固有ベクトルは
\(\displaystyle \begin{bmatrix} b\\λ_1-a\end{bmatrix}\)と\(\displaystyle \begin{bmatrix} b\\λ_2-a\end{bmatrix}\\{} \) - \(c \not=0\)の場合、固有値\(λ_1,λ_2\)の固有ベクトルは
\(\displaystyle \begin{bmatrix} λ_1-d\\c\end{bmatrix}\)と\(\displaystyle \begin{bmatrix} λ_2-d\\c\end{bmatrix}\\{} \) - \(b=c=0\)の場合、固有値\(a,d\)の固有ベクトルは
\(\displaystyle \begin{bmatrix} 1\\0\end{bmatrix}と\begin{bmatrix} 0\\1\end{bmatrix}\\ \)
と書き表すことができます。
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