[行列解析2.6.p17]特異値分解と階数の一致

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.6.P17

2.6.問題17

\(A \in M_{m,n}\) を与える。

特異値分解を用いて、\(\mathrm{rank}(A) = \mathrm{rank}(AA^*) = \mathrm{rank}(A^*A)\) が成り立つことを説明せよ。

ヒント

特異値分解 \( A = U \Sigma V^* \) を用いる。

ここで \(U, V\) はユニタリ行列、\(\Sigma\) は特異値を対角成分にもつ長方形対角行列である。

階数は 0 でない特異値の個数に一致すること、またユニタリ行列による左右からの積は階数を変えないことを用いればよい。

解答例

\( A \in M_{m,n} \) とする。特異値分解により、あるユニタリ行列 \(U \in M_m\)、\(V \in M_n\) と、対角成分に特異値 \( \sigma_1,\ldots,\sigma_r \)(ただし \( \sigma_i > 0 \))をもつ長方形対角行列 \(\Sigma\) が存在して

A = U \Sigma V^*

と書ける。ここで \(r\) は 0 でない特異値の個数である。

まずユニタリ行列による左右からの積は階数を変えないので

\mathrm{rank}(A)
= \mathrm{rank}(\Sigma)

である。\(\Sigma\) の非零対角成分は \( \sigma_1,\ldots,\sigma_r \) であるから

\mathrm{rank}(A) = r

となる。

次に

AA^*
= (U \Sigma V^*)(V \Sigma^* U^*)
= U \Sigma \Sigma^* U^*

である。ここで \(\Sigma \Sigma^*\) は対角成分が \( \sigma_1^2,\ldots,\sigma_r^2 \) と 0 からなる対角行列である。したがって

\mathrm{rank}(AA^*)
= \mathrm{rank}(\Sigma \Sigma^*)
= r

となる。同様に

A^*A
= V \Sigma^* \Sigma V^*

より、\(\Sigma^* \Sigma\) の対角成分も \( \sigma_1^2,\ldots,\sigma_r^2 \) と 0 であるから

\mathrm{rank}(A^*A)
= \mathrm{rank}(\Sigma^* \Sigma)
= r

である。

以上より

\mathrm{rank}(A)
= \mathrm{rank}(AA^*)
= \mathrm{rank}(A^*A)

が成り立つ。


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