[行列解析2.4.p33]固有値が分離したブロック行列の冪根の構造

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.4.P33

2.4.問題33

\( A, B \in \mathbb{M}_n \)、\( p \) は正の整数とする。\( A \) がブロック上三角形行列で

A = \begin{pmatrix} A_{11} & A_{12} \\ 0 & A_{22} \end{pmatrix}

\( A_{11} \in \mathbb{M}_k \)、\( A_{22} \in \mathbb{M}_{n-k} \) は固有値を共有しないとする。もし \( B^p = A \) ならば、\( B \) は \( A \) に対応したブロック上三角形行列で

B = \begin{pmatrix} B_{11} & B_{12} \\ 0 & B_{22} \end{pmatrix}, \quad B_{11}^p = A_{11}, \quad B_{22}^p = A_{22}

であることを示せ。

ヒント

\( B^p = A \) から \( B \) と \( A \) の固有値の関係を考える。

ブロック間で固有値が重ならないことから、対応する不変部分空間が分離される点に注目する。

解答例

\( A \in \mathbb{M}_n \) は \( A = \begin{pmatrix} A_{11} & A_{12} \\ 0 & A_{22} \end{pmatrix} \) の形をしたブロック上三角行列であり、\( A_{11} \in \mathbb{M}_k \)、\( A_{22} \in \mathbb{M}_{n-k} \) は固有値を共有しないとする。

\( B^p = A \) を満たす \( B \in \mathbb{M}_n \) を考える。\( A \) の固有値は \( A_{11} \) と \( A_{22} \) の固有値の和集合であり、固有値が互いに交わらないことから、対応する一般化固有空間は直和に分解される。

この分解は \( B \) によっても保たれるため、\( B \) は同じ分割に関して上三角ブロック形に書け、

B = \begin{pmatrix} B_{11} & B_{12} \\ 0 & B_{22} \end{pmatrix}

と表せる。ここで \( B_{11} \in \mathbb{M}_k \)、\( B_{22} \in \mathbb{M}_{n-k} \) である。

この形で冪を計算すると、

B^p = \begin{pmatrix} B_{11}^p & * \\ 0 & B_{22}^p \end{pmatrix}

となる。これが \( A \) に等しいことから、対角ブロックを比較して \( B_{11}^p = A_{11} \)、\( B_{22}^p = A_{22} \) が成り立つ。

以上より、\( B \) は \( A \) に対応したブロック上三角行列であり、各対角ブロックはそれぞれ \( A_{11} \)、\( A_{22} \) の \( p \) 乗根となることが示された。


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