[行列解析2.1.2]定理

2.1.2

定理 2.1.2

任意の直交正規なベクトル列は線形独立である。

証明

\( \{x_1, \ldots, x_k\} \) が直交正規であると仮定し、次のような線形結合がゼロになるとする:

 0 = \alpha_1 x_1 + \cdots + \alpha_k x_k

両辺の共役転置との内積をとると、

0 
= (\alpha_1 x_1 + \cdots + \alpha_k x_k)^* (\alpha_1 x_1 + \cdots + \alpha_k x_k) \\
= \sum_{i,j} \bar{\alpha}_i \alpha_j x_i^* x_j 
= \sum_{i=1}^k |\alpha_i|^2 x_i^* x_i 
= \sum_{i=1}^k |\alpha_i|^2 

よって、すべての \( \alpha_i = 0 \) であり、ベクトル列は線形独立である。

練習問題

  • 非ゼロの直交ベクトル列は線形独立であることを示せ。
  • 直交するベクトル \( x_1, \ldots, x_k \in \mathbb{C}^n \) に対して、\( k \leq n \) または少なくとも \( k - n \) 個のベクトルがゼロベクトルであることを示せ。

線形独立なベクトル列が必ずしも直交正規であるとは限らないが、グラム・シュミットの直交化法(0.6.4)を適用することで、同じ線形包に属する直交正規列を得ることができる。

練習問題

任意のゼロでない部分空間(\( \mathbb{R}^n \) または \( \mathbb{C}^n \))は、直交正規基底を持つことを示せ(0.6.5)。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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