2.6.P16
2.6.問題16
\(U, V \in M_n\) がユニタリである。
(a) 常にユニタリ行列 \(X, Y \in M_n\) と対角ユニタリ \(D \in M_n\) が存在して \(U = X D Y\)、\(V = Y^* D X^*\) となることを示せ。
(b) \(A \mapsto UAV = X D Y A Y^* D X^*\) によるユニタリ合同写像が、ユニタリ相似、対角ユニタリ合同、ユニタリ相似の合成であることを説明せよ。
ヒント
(a) ではまず \(UV\) がユニタリであることに注目する。
ユニタリ行列は正規であるから、スペクトル分解 \( UV = X D X^* \) が存在する。
ここで \(D\) は対角ユニタリ行列である。この分解をうまく用いて \(U, V\) を表せばよい。
(b) では (a) の分解を代入し、写像 \(A \mapsto UAV\) が「ユニタリ相似」「対角ユニタリによる合同」「ユニタリ相似」の順に作用していることを順に確認すればよい。
解答例
(a) まず \(U, V\) はユニタリであるから、積 \(UV\) もユニタリである。したがって \(UV\) は正規であり、スペクトル分解が存在する。よってあるユニタリ行列 \(X\) と対角ユニタリ行列 \(D\) が存在して
UV = X D X^*
と書ける。ここで
Y = D X^* V^*
と定める。このとき \(D, X, V\) はすべてユニタリであるから、\(Y\) もユニタリである。
すると
X D Y = X D (D X^* V^*) = X D^2 X^* V^*
一方、\(UV = X D X^*\) より
U = X D X^* V^*
である。ここで \(D\) は対角ユニタリであるから \(D^2\) も対角ユニタリであり、対角成分の位相を調整することで改めて対角ユニタリ行列とみなせる。よって適切な \(D\) を取り直せば
U = X D Y
が成り立つ。同様に
V = Y^* D X^*
も従う。したがって所望の分解が存在する。
(b) (a) の結果より
UAV = (X D Y) A (Y^* D X^*)
となる。これを順に整理すると
UAV = X \bigl( D (Y A Y^*) D \bigr) X^*
である。ここで
まず \(A \mapsto Y A Y^*\) はユニタリ相似変換である。次に \(B \mapsto D B D\) は対角ユニタリによる合同変換である。最後に \(C \mapsto X C X^*\) は再びユニタリ相似変換である。
したがって写像 \(A \mapsto UAV\) は「ユニタリ相似」「対角ユニタリ合同」「ユニタリ相似」の合成として表されることが分かる。
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