2.6.P6
2.6.問題6
\(A \in M_n\) とし、QR分解 \(A = QR\) を考える。
(a) QRが正規であることと RQ が正規であることは同値である理由を説明せ。
(b) \(A\) が正規であることと、\(Q\) および \(R^*\) がユニタリ合同で同時に対角化可能であることは同値であることを示せ。
ヒント
正規行列とは \( X^*X = XX^* \) を満たす行列である。QR分解 \( A = QR \) において、\( Q \) はユニタリ行列であるから \( Q^*Q = I \) が成り立つ。この性質を用いて、\( QR \) と \( RQ \) の随伴との積を比較することが重要である。また、\( A \) が正規であるとき、\( A = QR \) を用いて \( RQ \) の性質を調べ、ユニタリ相似との関係を考察する。
解答例
(a) まず、\( QR \) が正規であると仮定する。
(QR)^*(QR) = (QR)(QR)^*
左辺と右辺を計算する。
(QR)^* = R^* Q^*
(QR)^*(QR) = R^* Q^* Q R = R^* R
(QR)(QR)^* = Q R R^* Q^*
したがって
R^* R = Q R R^* Q^*
両辺に左から \( Q^* \)、右から \( Q \) を掛けると
Q^* R^* R Q = R R^*
これは
(RQ)^*(RQ) = (RQ)(RQ)^*
と同値である。よって \( QR \) が正規であることと \( RQ \) が正規であることは同値である。
(b) まず \( A \) が正規であると仮定する。すると
A^* A = A A^*
\( A = QR \) を代入する。
(QR)^*(QR) = (QR)(QR)^*
(a)より、これは \( RQ \) が正規であることと同値である。すなわち
(RQ)^*(RQ) = (RQ)(RQ)^*
一方、
RQ = Q^* A Q
であるから、\( RQ \) は \( A \) とユニタリ相似である。したがって \( A \) が正規であることは、\( RQ \) が正規であることと同値である。
正規行列はユニタリ行列によって対角化可能であるから、あるユニタリ行列 \( U \) が存在して
U^* (RQ) U = \Lambda
ただし \( \Lambda \) は対角行列である。
\( RQ = R Q \) の形から、\( Q \) および \( R^* \) は同じユニタリ変換によって対角化されることが分かる。逆に、\( Q \) と \( R^* \) がユニタリ合同で同時に対角化可能であれば、\( RQ \) は正規となり、したがって \( A \) も正規である。
よって、\( A \) が正規であることと、\( Q \) および \( R^* \) がユニタリ合同で同時に対角化可能であることは同値である。
行列解析の総本山
総本山の目次📚

記号の意味🔎




コメント