[行列解析2.5.P75]行列の可換条件とブロック行列表示

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.5.P75

2.5.問題75

\( A, B, X \in M_n \) とする。

(a) \(AX = XB\) かつ \(XA = BX\) が成り立つことと、

 \begin{bmatrix} 0 & X \\ X & 0 \end{bmatrix} 

 \begin{bmatrix} A & 0 \\ 0 & B \end{bmatrix} 

と可換であることが同値であることを示せ。

(b) さらに \(X\) が正規行列で、\(AX = XB\) かつ \(XA = BX\) が成り立つとき、次が成り立つことを示せ:

 AX^* = X^* B, \quad X^* A = B X^* 

ヒント

ブロック行列の積を直接計算し、各ブロック成分を比較することで可換条件を調べる。

(b) では (a) の結果を用いて、正規性から随伴行列に関する可換性を導く。

解答例

(a) 次の2つのブロック行列を考える。

M=
\begin{bmatrix}
0 & X\\
X & 0
\end{bmatrix},
\quad
N=
\begin{bmatrix}
A & 0\\
0 & B
\end{bmatrix}

このとき積を計算すると

MN=
\begin{bmatrix}
0 & XB\\
XA & 0
\end{bmatrix},
\quad
NM=
\begin{bmatrix}
0 & AX\\
BX & 0
\end{bmatrix}

である。したがって \(MN=NM\) が成り立つことと \(AX=XB\) かつ \(XA=BX\) が成り立つことは同値である。

(b) \(X\) が正規であり、 \(AX=XB\) かつ \(XA=BX\) が成り立つと仮定する。(a) より \(M\) と \(N\) は可換である。

\(X\) が正規であるから \(X^*X=XX^*\) であり、従って

M^*=
\begin{bmatrix}
0 & X^*\\
X^* & 0
\end{bmatrix}

もまた \(M\) と可換である。よって \(MN=NM\) から \(M^*N=NM^*\) が従う。

ブロック成分を比較すると

AX^*=X^*B,
\quad
X^*A=BX^*

が得られる。


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