[行列解析2.5.P14]実正規行列と対称行列の同値性

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.5.P14

2.5.問題14

実行列 \(A \in M_{n}(\mathbb{R})\) が与えられたとする。

このとき、\(A\) が正規であり、かつ固有値がすべて実数であることと、\(A\) が対称行列であることは同値である理由を説明せよ。

ヒント

実行列に対しては \(A^{\ast} = A^{\mathsf{T}}\) が成り立つ。正規性 \(AA^{\mathsf{T}} = A^{\mathsf{T}}A\) と、固有値がすべて実数であるという条件から、直交対角化が可能であることを用いる。

解答例

まず \(A \in M_n(\mathbb{R})\) が対称行列であると仮定する。このとき \(A^{\mathsf{T}} = A\) であるから \(AA^{\mathsf{T}} = A^{\mathsf{T}}A\) が成り立ち、\(A\) は正規である。

また、実対称行列は直交行列によって対角化でき、その対角成分はすべて実数である。したがって、\(A\) の固有値はすべて実数である。

逆に、\(A\) が正規であり、かつ固有値がすべて実数であると仮定する。正規性より、あるユニタリ行列 \(U\) が存在して \(A = U \Lambda U^{\ast}\) と対角化できる。ただし \(\Lambda\) は固有値を対角成分にもつ対角行列である。

ここで \(A\) は実行列であり、固有値がすべて実数であるから、\(U\) は実直交行列として取ることができる。このとき \(U^{\ast} = U^{\mathsf{T}}\) であり、

A^{\mathsf{T}} = (U \Lambda U^{\mathsf{T}})^{\mathsf{T}} = U \Lambda U^{\mathsf{T}} = A

が成り立つ。よって \(A\) は対称行列である。

以上より、実行列 \(A\) が正規であり、かつ固有値がすべて実数であることと、\(A\) が対称行列であることは同値である。


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