[行列解析2.2.p2]

2.2.問題2

2.2.P2

Givensの固有値計算法も平面回転を用いるが、その使い方は異なる。\( n \ge 3 \) とする。

すべての実行列 \(A = [a_{ij}] \in M_n(\mathbb{R})\) が、実下ヘッセンベルグ行列と直交相似であることを以下に示せ。特に、\(A\) が対称なら、その下ヘッセンベルグ行列は三重対角行列である((0.9.9)、(0.9.10) 参照)。

まず、先の問題と同様に、1,3成分を0にするような平面回転 \(U_{1,3} = U(\theta; 1,3)\) を選ぶ。次に、\(U_{1,4} = U(\theta; 1,4)\) を選んで \(U_{1,4}^T(U_{1,3}^T A U_{1,3}) U_{1,4}\) の1,4成分を0にする。この操作を繰り返して第1行の残りをすべて0にする。

次に第2行に進み、2,4成分から始めて2,4, 2,5, ..., 2,n成分を0にする。

この操作がすでに作成した0成分を壊さず、かつ \(A\) が対称ならその対称性を保つ理由を説明せよ。

このようにして \(n-3\) 行目まで進めば、有限回の平面回転による実直交相似変換で下ヘッセンベルグ行列が得られる。もし \(A\) が対称であれば、その行列は三重対角となる。

ただし、この方法ではヤコビ法のように固有値が即座に得られるわけではない。さらなる計算が必要である。


参考:Matrix Analysis:Second Edition ISBN 0-521-30587-X.(当サイトは公式と無関係です)

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