[行列解析2.1.p12]ユニタリ相似と逆行列・共役転置の関係の問題

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.1.p12

2.1.問題12

\( A \in M_n \) があるユニタリ行列と相似であるならば、\( A^{-1} \) は \( A^* \) と相似であることを示せ。

ヒント

\( A \) がユニタリ行列 \( U \) と相似であると仮定すると、ある可逆行列 \( P \) が存在して \( A = PUP^{-1} \) と書ける。ユニタリ行列の基本性質 \( U^{-1}=U^* \) を用いると、\( A^{-1} \) と \( A^* \) をともに \( U^* \) と結びつけることができる。さらに「同じ行列に相似である2つの行列は互いに相似である」という事実を用いれば、\( A^{-1} \) と \( A^* \) が相似であることが従う。

解答例

まず、仮定より \( A \) はあるユニタリ行列 \( U \) と相似であるから、可逆行列 \( P \) が存在して

A = PUP^{-1}

と表せる。 ユニタリ行列の定義より \( U^{-1} = U^* \) である。そこで \( A^{-1} \) を計算すると、

A^{-1} = (PUP^{-1})^{-1} = P U^{-1} P^{-1} = P U^{*} P^{-1}

となる。したがって \( A^{-1} \) は \( U^* \) と相似である。 次に、\( A^* \) を計算すると、

A^{*} = (PUP^{-1})^{*} = (P^{-1})^{*} U^{*} P^{*} = (P^{*})^{-1} U^{*} P^{*}

となるので、\( A^{*} \) もまた \( U^{*} \) と相似である。 ここで、一般に \( B = Q C Q^{-1} \)、\( D = R C R^{-1} \) を満たすとき、両者は同じ行列 \( C \) に相似であるから、次のようにして互いに相似である:

B = (Q R^{-1}) D (Q R^{-1})^{-1}

したがって「同じ行列に相似な2つの行列は互いに相似である」といえる。

以上より、\( A^{-1} \) と \( A^{*} \) はともに \( U^{*} \) に相似であるため、結論として

A^{-1} \sim A^{*}

となる。これで示すべきことが証明された。


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