[行列解析2.1.p5]

2.1.p5

2.1.問題5

\( M_n \) における置換行列(0.9.5)が実直交行列の群の部分群(つまり自分自身が群となる部分集合)であることを示せ。
\( M_n \) における異なる置換行列は何通りあるか?

ヒント

正方行列\( P\) が置換行列であるとは、各行および各列にちょうど1つの要素が1で、他はすべて0であることを言う。

\(P\)が置換行列なら、\(P\)の列ベクトルは標準基底を並べ替えたものであり、互いに直交しそのノルムは1である。

解答例

\(P\)を置換行列とする。

\(P^TP=I\)であるから、\(P\)は直交行列である。

\(I=(e_1,e_2,\cdots,e_n)\)とする。

\(n\)次対称群の元\(σ \in S_n\)と置換行列\(P_σ=(e_{σ(1)},e_{σ(2)},\cdots,e_{σ(n)})\)とは1対1の対応があり、対称群の積と、置換行列の積も対応しているから、置換行列は行列の積で群をなす。

置換行列は、標準基底ベクトルの並べ替えに対応することができるから、その個数は、\(|S_n|=n!\)である。


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