1.3.問題33
1.3.P33
\(A \in M_n(\mathbb{R})\) が非実固有値 \(\lambda\) を持つとする。
ここで \(\lambda = a + ib\)、\(a, b \in \mathbb{R}, b > 0\) とする。
また、\(\lambda\) に対応する固有ベクトルを \(x\) とし、\(x = u + i v\)、ただし \(u, v \in \mathbb{R}^n\) と書く。
(a) \(\bar{\lambda}, \bar{x}\) が \(A\) の固有値・固有ベクトルの組になることを説明せよ。
(b) \(x\) と \(\bar{x}\) が一次独立であること、したがって \(u\) と \(v\) も一次独立であることを説明せよ。
(c) 次を示せ:
Au = au - bv, \quad Av = bu + av
したがって、
A [u \ v] = [u \ v] B
ただし、
B = \begin{bmatrix} a & -b \\ b & a \end{bmatrix}
(d) \(S = [u \ v \ S_1] \in M_n(\mathbb{R})\) が正則であるとする。このとき、
S^{-1} [u \ v] = \begin{bmatrix} I_2 \\ 0 \end{bmatrix}
となることを説明せよ。
そして、
S^{-1} A S = S^{-1} [A u \ A v \ A S_1] = S^{-1} [u \ v] B + A S_1 = \begin{bmatrix} B & 0 \\ 0 & A_1 \end{bmatrix}
ただし、\(A_1 \in M_{n-2}(\mathbb{R})\)。
このことから、非実固有値 \(\lambda\) を持つ実正方行列は、\(\lambda\) の実部と虚部を表す左上 2×2 ブロックを持つ上三角ブロック行列と実相似であることが分かる。
(e) \(\lambda\) および \(\bar{\lambda}\) の \(A_1\) における固有値としての重複度は、それぞれ \(A\) における重複度より 1 小さいことを説明せよ。
行列解析の総本山

[行列解析]総本山
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
コメント