[行列解析1.3.P23]ブロック上三角行列の相似条件

1.固有値・固有ベクトル・相似

1.3.P23

1.3.問題23

\(B \in M_n\)、\(C \in M_{n,m}\) とし、次の行列を定義する:

A = \begin{bmatrix} B & C \\ 0 & 0_m \end{bmatrix} \in M_{n+m}

このとき、\(A\) が \(B \oplus 0_m\) に相似であるための必要十分条件は \(\mathrm{rank}[B \; C] = \mathrm{rank} B\)、すなわち、ある \(X \in M_{n,m}\) が存在して \(C = BX\) となることである。

ヒント

相似とは、ある正則行列 \( S \) により \( S^{-1} A S = B \oplus 0_m \) と表せることである。

ブロック行列の積を具体的に計算し、条件 \( \mathrm{rank}[B\;C] = \mathrm{rank}B \) が \( C \) の各列が \( B \) の列空間に含まれること、すなわち \( C = BX \) と書けることと同値である点に着目する。

解答例

まず、ある \( X \in M_{n,m} \) が存在して \( C = BX \) と書けると仮定する。このとき

S =
\begin{bmatrix}
I_n & X \\
0 & I_m
\end{bmatrix}

とおくと、\( S \) は正則であり、その逆行列は

S^{-1} =
\begin{bmatrix}
I_n & -X \\
0 & I_m
\end{bmatrix}

である。直接計算すると、

S^{-1} A S
=
\begin{bmatrix}
I_n & -X \\
0 & I_m
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
B & C \\
0 & 0
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
I_n & X \\
0 & I_m
\end{bmatrix}
=
\begin{bmatrix}
B & 0 \\
0 & 0
\end{bmatrix}
= B \oplus 0_m

となる。したがって、このとき \( A \) は \( B \oplus 0_m \) に相似である。

逆に、\( A \) が \( B \oplus 0_m \) に相似であると仮定する。相似変換は階数を保つので、 \( \mathrm{rank}A = \mathrm{rank}(B \oplus 0_m) = \mathrm{rank}B \) が成り立つ。一方、 \( A = \begin{bmatrix} B & C \\ 0 & 0 \end{bmatrix} \) より \( \mathrm{rank}A = \mathrm{rank}[B\;C] \) である。よって \( \mathrm{rank}[B\;C] = \mathrm{rank}B \) が従う。

最後に、\( \mathrm{rank}[B\;C] = \mathrm{rank}B \) は、\( C \) の各列が \( B \) の列空間に含まれることと同値であるから、ある \( X \in M_{n,m} \) が存在して \( C = BX \) と書ける。以上より、条件は必要十分である。


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