[行列解析1.3.P22]行列の相似と分解 A=XY, B=YX

1.固有値・固有ベクトル・相似

1.3.P22

1.3.問題22

行列 \(A, B \in M_n\) に対して、\(A\) と \(B\) が相似であるための必要十分条件は、少なくとも一方が正則であるような行列 \(X, Y \in M_n\) が存在して、次を満たすことである:

A = XY, \quad B = YX

ヒント

行列の相似とは、ある正則行列 \( S \) が存在して \( B = S^{-1} A S \) と表されることである。

一方、条件 \( A = XY \), \( B = YX \) は、積の順序を入れ替えた形になっている。少なくとも一方が正則であることを用いて、相似変換との関係を考える。

解答例

まず、\( A \) と \( B \) が相似であると仮定する。すなわち、ある正則行列 \( S \in M_n \) が存在して \( B = S^{-1} A S \) と書ける。このとき \( X = A S \), \( Y = S^{-1} \) とおくと、 \( XY = A S S^{-1} = A \), \( YX = S^{-1} A S = B \) となる。ここで \( Y = S^{-1} \) は正則であるから、条件を満たす。

逆に、行列 \( X, Y \in M_n \) が存在して \( A = XY \), \( B = YX \) を満たし、かつ少なくとも一方が正則であると仮定する。まず \( X \) が正則である場合を考える。このとき

B = YX = X^{-1}(XY)X = X^{-1} A X

が成り立つので、\( B \) は \( A \) と相似である。

一方、\( Y \) が正則である場合には、

A = XY = Y^{-1}(YX)Y = Y^{-1} B Y

となり、やはり \( A \) と \( B \) は相似である。

以上より、行列 \( A, B \in M_n \) が相似であるための必要十分条件は、少なくとも一方が正則である行列 \( X, Y \in M_n \) が存在して \( A = XY \), \( B = YX \) が成り立つことである。


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