[行列解析1.3.P13]対角化可能行列の相似と特性多項式

1.固有値・固有ベクトル・相似

1.3.P13

1.3.問題13

2つの対角化可能な行列が相似であることと、それらの特性多項式が等しいことが同値であることを示せ。

両方が対角化可能でない場合にもこの主張は成り立つか?

ヒント

対角化可能な行列は、固有値を対角成分に並べた対角行列に相似であることを用いる。

特性多項式は固有値とその重複度を与えるため、対角行列の形を比較すればよい。

対角化できない場合には、固有値が同じでもジョルダン標準形が異なる可能性があることに注意する。

解答例

まず、2つの行列 \( A, B \in M_n \) がともに対角化可能であるとする。このとき、ある正則行列 \( P, Q \) が存在して

P^{-1} A P = \mathrm{diag}(\lambda_1,\ldots,\lambda_n), \quad
Q^{-1} B Q = \mathrm{diag}(\mu_1,\ldots,\mu_n)

と書ける。ここで \( \lambda_i, \mu_i \) はそれぞれ \( A, B \) の固有値である。対角行列の特性多項式は対角成分から一意に定まり、 \( \det(xI-A)=\prod_{i=1}^n (x-\lambda_i) \), \( \det(xI-B)=\prod_{i=1}^n (x-\mu_i) \) である。

特性多項式が等しいと仮定すると、固有値とその重複度が一致する。したがって、対角行列 \( \mathrm{diag}(\lambda_1,\ldots,\lambda_n) \) と \( \mathrm{diag}(\mu_1,\ldots,\mu_n) \) は順序を入れ替えることで一致し、互いに相似である。よって \( A \) と \( B \) も相似である。

逆に、\( A \) と \( B \) が相似であるならば、相似変換は特性多項式を不変に保つため、両者の特性多項式は等しい。以上より、対角化可能な場合には「相似であること」と「特性多項式が等しいこと」は同値である。

一方、両方が対角化可能でない場合には、この主張は一般には成り立たない。特性多項式が等しくても、ジョルダン標準形におけるジョルダンブロックの大きさが異なることがあり、その場合には相似ではない行列が存在する。


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