1.2.P10
1.2.問題10
\( A \in M_n(\mathbb{R}) \) であり、かつ \( n \) が奇数であるとする。
このとき、\( A \) は少なくとも1つの実固有値をもつことを示しなさい。
ヒント
行列 \( A \) の固有値は特性多項式 \( p_A(t) = \det(tI - A) \) の根として定義される。\( A \) が実行列であれば \( p_A(t) \) は実係数多項式であり、その次数は \( n \) である。実係数多項式の次数が奇数であれば、少なくとも1つの実根をもつことを用いる。
解答例
\( A \in M_n(\mathbb{R}) \) とし、\( n \) は奇数とする。行列 \( A \) の特性多項式を \( p_A(t) = \det(tI - A) \) と定める。
p_A(t) = \det(tI - A)
このとき \( p_A(t) \) は次数 \( n \) の多項式であり、行列 \( A \) の成分がすべて実数であることから、その係数はすべて実数である。
\( n \) は奇数であるから、実係数多項式 \( p_A(t) \) は代数学の基本定理および中間値の定理により、少なくとも1つの実数解をもつ。
したがって、ある実数 \( \lambda \) が存在して \( p_A(\lambda) = 0 \) となる。この \( \lambda \) は定義より行列 \( A \) の固有値であり、しかも実数である。
以上より、\( n \) が奇数である任意の実行列 \( A \in M_n(\mathbb{R}) \) は、少なくとも1つの実固有値をもつことが示された。
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