[行列解析1.1]固有値–固有ベクトル方程式

1.固有値・固有ベクトル・相似

1.1 固有値–固有ベクトル方程式

行列 \( A \in M_n \) は、\( \mathbb{C}^n \) から \( \mathbb{C}^n \) への線形変換として考えることができます。すなわち、

(1.1.1)
 A : x \ \mapsto \ Ax 

しかし同時に、行列 \( A \) を単なる数の配列として捉えることも有用です。これら2つの \( A \) の概念、すなわち「線形変換としての \( A \)」と「数の配列としての \( A \)」の相互作用、そしてその配列が線形変換について何を教えてくれるのか――この関係は行列解析の中心的なテーマであり、応用の鍵となります。

行列解析における基本的な概念のひとつは、正方複素行列の固有値の集合です。

目次

  • 1.1.2 定義(固有値・固有ベクトル)
(1.1.3)
 A x = \lambda x, \quad x \in \mathbb{C}^n, \quad x \neq 0, \quad \lambda \in \mathbb{C} 
  • 1.1.4 定義(スペクトル)
(1.1.5a)
 p(t) = a_k t^k + a_{k-1} t^{k-1} + \cdots + a_1 t + a_0, \quad a_k \neq 0 
(1.1.5b)
 p(A) = a_k A^k + a_{k-1} A^{k-1} + \cdots + a_1 A + a_0 I 
(1.1.5c)
 p(t) = (t - \alpha_1) \cdots (t - \alpha_k) 
(1.1.5d)
 p(A) = (A - \alpha_1 I) \cdots (A - \alpha_k I) 


行列解析の総本山

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行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。

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